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絶滅の危機にあるヨウムを救いたい!(寄付金募集期間:2017/03/03から現在まで継続中)
コンゴ共和国での野生ヨウムを救うためのヨウムの野生復帰プロジェクトとして、また日本やその近隣国でのヨウム市場の現状調査ほか保全教育活動、ヨウム取引の現況を把握するためのワシントン条約など国際会議への参加などの費用を補填するために、クラウドファンディングを2017年3月より継続しています。
みなさまからの暖かいご支援をお待ちしております。

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進行中のプロジェクト

『地球が壊れる前に』の上映権と上映会実施について

『地球が壊れる前に』(2016)、レオナルド・ディカプリオ主演、ナショナル・ジオグラフィック社製作(日本語字幕付き、約90分)

【西原智昭氏がナショナル・ジオグラフィック本社より2019年8月末まで2年間上映権を得ていましたが、2020年8月31日までもう一年上映権の延長が可能となりましたので、上映会(西原のトークも含む)をご希望の方は西原までご連絡をください】

上映会とトークの主旨:温暖化、気象変動などが言われて久しいですが、地球規模でのその実態を確かに知っている人は多くはないでしょう。特に化石燃料など自然界の資源をほとんど輸入に依存している日本人の中には、「他人事」と思っている人も少なくないと考えられます。

この映像は、世界の様々に地域での気象変動にまつわる事実を紹介しており、われわれが直面している問題を把握する格好の場となるでしょう。パリ協定などにより解決に向けたある程度の方向性は示されてきました。
しかし、具体的にわれわれの日常生活で「何をすべきか」については積極的な提案はなく、多くの人々を巻きこくようなうねりとなっていないのも事実でしょう。
まずは「知ること・学ぶこと」、そして「確かな情報の共有」と「解決へ向けた具体案な議論」が必要でしょう。この映像はその契機を与えるものだと確信します。
 
上映後のトークでは、まず、映像の紹介者であり上映権保持者である西原智昭が映像の内容を整理します。また、映像ではアフリカでの実情は紹介されていないため、約30年アフリカ中央部熱帯林地域にて、野生生物の研究調査、国立公園管理、熱帯林・生物多様性保全に携わってきた西原智昭自身が、その内容を補填いたします。その上で、上映会に参加された会場の皆さんと「今後なにをしなければならないか」についての議論を深めていきたいと考えます。地球の未来に奇跡は起こりません。どうぞ奮ってご参加ください。
 
 

象牙を代替する新素材開発

アフリカの中央部・コンゴ盆地の熱帯林地域に生息するマルミミゾウは、象牙目的の密猟によりいま絶滅の危機に瀕している。
マルミミゾウは糞を介しての種子散布を通じて、森林を維持する重大な生態系サービスを担う礎石種であり、その絶滅は熱帯林の生態系とその生物多様性に多大な打撃を与える。それは地球環境異変とも強く関わる。
 
一方、長年に渡って日本国内で使われてきた象牙は「ハード材」と呼ばれるマルミミゾウ由来の象牙であった。印材だけでなく、邦楽の楽器に一部(三味線の撥や駒、箏の爪や琴柱など)に使われてきた。
とりわけ邦楽器においては良質の音の演奏に深く関わるため、日本の伝統的文化遺産の継続には不可欠な素材である。
1989年にワシントン条約(絶滅の危機にある野生動植物の国際商取引を規制する条約)で象牙の国際商取引が禁止された後も、アフリカ現地では象牙の需要の継続に伴いマルミミゾウの密猟は激化しておりその存続が危ぶまれている一方、日本国内の「ハード材」在庫も少なくなり、その結果「ハード材」象牙製品の単価は高騰してきており日本の邦楽の維持継承にとって深刻な問題となっている。
 
そこで、邦楽メディア、和楽器演奏者、楽器商、環境保全研究者、日本の伝統芸能研究者、素材科学研究者など分野を超えた集まり「和楽器の未来を創る研究会」を2014年に立ち上げ、「新素材開発がマルミミゾウという自然遺産および日本の邦楽という文化遺産をともに守り得る」という参加者全員の合意のもと、西原の声がけで新素材開発のための研究が始まった。
 
「ハード材」象牙の電子顕微鏡による構造分析および象牙はもともと歯が進化してできたものであるという点からそれに似せるような形を目指し、かつ、「ハード材」象牙が持つ「固さ、しなやかさ、吸湿性」といった特殊な性質をもたせるような、有機質と無機質の材料配合を目指してきている。
 
現時点で最大直径8cm厚さ1cm程度の新素材を試験的に作り、それを楽器商の技術により削ることで、箏の爪を作ったり撥の先端部分に取り付ける上で、演奏家による試演も実施している。
 
結果的には、材料配合や実験手法への改善が必要とされ、今後の試行錯誤が必要不可欠であるだけでなく、近い将来撥の制作に必要となる大きなブロックの製作へ向けて、あらたな研究資金が必要となってきているのが現状である。
 
 

先住民族をつなげる試み

狩猟採集という生業でアフリカの熱帯林地域に居住してきた先住民族ピグミーにとって、決してわれわれ文明人が真似することのできない特化した能力の一つは、「決して森の中で迷わない」技能である。
それは、森という複雑な生態系空間に対する優れた認知力と記憶力の賜物である。
 
森林そのものが消失していくだけでなく、こうした伝統的知恵や技能が、定住化政策や貨幣経済の浸透、近代教育の流布など様々な要因に伴い、喪失されていく一途にある。
先住民族とその伝統的社会のエスニシティの存続の危機は喫緊の課題である。
 
その試みの一つとして考えられるのが、先住民族同士の連携と協力であろう。
世界中の先住民族は多かれ少なかれ、あとからその地に侵略してきた他民族により、差別を受け虐待・駆逐され同一化政策などを受け、悲惨な歴史を歩んできた。
 
そこでお互い同士の連携を通じて、先住民族としての声をより多く発信してくことを可能にすることが求められる。
その一環として、日本における先住民族アイヌが制作した自然破壊に関する映像を用いて、ピグミーがそれに共感する試みを実施した。
 
その結果、言語は異なり環境も違うが、森林に依拠してきた同じ先住民族として共通の理解が示され、連携へ向けての初めの一歩が見出された。
今後も、世界中の様々な先住民族の連携を目指し彼らの声を大きくしていくためにも、それに必要な情報提供やサポート、コーディネートを実施していきたい。
 

フォトブック作成イベントによる教育普及活動

保全の分野での教育普及活動の手法として、参加型のイベント手法となる「フォトブック」を積極的に使用した。
 
これまでの講演会や動物園等でのガイドは、基本的に「一対多」の型であり、「参加者を選べない」ばかりでなく、質疑応答なども盛んに行われず、そのあとの「理解度の評価」も容易でない、といった欠点が多かったが、フォトブックには、これまでの保全教育の手法とは異なるものを期待できるためである。
 
保全教育ツールとしてフォトブックが従来のものにはない画期的な特徴は、まずテーマに関心のある「特定の参加者」を期待できる上、自ら「参加」して独自の「ストーリー展開」で「写真」を選び「メッセージをクリア」に作りながら、写真とメッセージが一体化となったフォトブックを作成していくところにある。
 
そしてそれを参加者同士で「協議」しつつ「修正」を実施し、「正確な情報」を満載した写真付きの「ビジュアル」版であるゆえ、小学生でもあるいは専門分野でない人にも「わかりやすい」保全の教材が完成される。そして、各参加者がその出来上がったフォトブック最終版をもとに、さらに家族・知人など身近なところから「メッセージを広げていく」ことが可能で、その輪の広がりから「普及効果」も期待できるのである。このフォトブック作成イベントはおびひろ動物園の学芸員によって西原に紹介された。
 
西原自身あるいは西原の情報を元にしたフォトブック作成イベントは、これまで5回実施してきた。2016年に二度おびひろ動物園で実施した「ヨウムの保全」、2017年7月におびひろ動物園とFSCジャパンの共催で実施された「FSC認証制度の普及」、2018年7月におびひろ動物園で「類人猿の保全」のテーマ、2018年8月コープ京都とFSCジャパンの共催で実施された「FSC認証制度の普及」でそれぞれ実施してきた。
参加者にとっては、フォトブックを作る過程と、参加者同士でお互いの完成したフォトブックを講評していくという過程で、それぞれのテーマについての十全な理解が得られた。
 
またおびひろ動物園の場合は学芸員の尽力で、それぞれのフォトブックは帯広図書館に寄贈され、さらに多くの人へのメッセージ発信ツールとして、役に立っている。
 
これまでのイベントは、いわば試験的なものではあったが、この経験を生かし、今後はより多くの参加者を望めるような形でイベントの開催を計画している。